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J-GLOBAL ID:201802210594100854   整理番号:18A0774613

エネルギー恒常性とグルコース恒常性のレプチン神経回路の遺伝的特定

Genetic identification of leptin neural circuits in energy and glucose homeostasis
著者 (10件):
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巻: 556  号: 7702  ページ: 505-509  発行年: 2018年04月26日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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レプチンは白色脂肪組織で産生されるホルモンで,脳におけるその役割は,栄養状態を伝達し,食後に食欲を抑制し,エネルギー消費を促進し,血糖の安定性を維持することである。レプチンあるいはその受容体(LEPR)の調節異常は,重度の肥満や糖尿病を引き起こす。レプチンの集中的な研究は,肥満や糖尿病の研究を一変させたが,この分子の臨床応用はまだ限られており,少なくともその理由の一部は,その根底にある神経回路が複雑で完全には理解されていないことにある。アグーチ関連ペプチド(AGRP)とプロオピオメラノコルチン(POMC)を発現する視床下部のニューロンは,主要な一次レプチン応答ニューロンだと考えられている。しかし,Cre-loxP系によりこれらのニューロンでLEPRを欠失させた以前の実験では,LEPRを欠失したLeprdb/dbマウスで見られる肥満や糖尿病を再現することができず,あるいは再現できたとしてもごくわずかであったため,AGRPやPOMCニューロンはin vivoでのレプチンの作用に直接必要でないことが示唆された。そのため,レプチンの主要な神経標的は,まだ不明である。本研究では,ストレプトゾトシン誘導性肥満マウスでレプチン応答ニューロンを体系的かつ偏りなく探索し,CRIPSR-Cas9によりin vivoでLEPRの遺伝的除去を行った。意外にも,エネルギーバランスとグルコース恒常性の調節を行うレプチンの一次作用にAGRPニューロンは必要であったが,POMCニューロンは必要ではなかった。レプチンの欠如はAGRPニューロンを脱抑制し,これらのニューロンを化学遺伝学的に抑制すると,糖尿病性過食症と高血糖症の両方が改善した。以前の研究とははっきりと対照的に,AGRPニューロンでのCRISPRによるLEPRの欠失は,重度の肥満と糖尿病を引き起こし,Leprdb/dbマウスの表現型を正確に再現することを示す。また,レプチンによるAGRPニューロンの急性および慢性の抑制の分岐した機構も明らかにした[それぞれGABA(γアミノ酪酸)神経伝達のシナプス前増強と,ATP感受性カリウムチャネルのシナプス後活性化による]。我々の知見は,レプチンの神経生物学的作用と関連する代謝疾患の根本的な基盤を明らかにしている。Copyright Nature Japan KK 2018
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分類 (1件):
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中枢神経系 
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