文献
J-GLOBAL ID:201802213037892425   整理番号:18A1490672

台湾と日本における,高さの異なる葯をもつミズガンピ(ミソハギ科)の花形態と繁殖特性

Floral Morphology and Reproductive Nature of Pemphis acidula (Lythraceae) with Two Different Anther Levels in Taiwan and Japan
著者 (7件):
資料名:
巻: 93  号:ページ: 225-239  発行年: 2018年08月20日 
JST資料番号: Y0108A  ISSN: 0022-2062  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ミズガンピPemphis acidula J. R.Forst.& G.Forst.は,アフリカ東部から太平洋地域にかけての海岸に広く分布するミソハギ科の常緑低木で,日本では奄美諸島以南の琉球列島に広く分布する。これまでアフリカ~インド・マレー半島地域集団で進められた研究により,この種はその多くの集団で長花柱花と短花柱花の二型性が確認され(一部の集団では等花柱性),それぞれの花は高さが異なる二種類の葯をつけるという通常の二型花柱性にはみられない特徴をもつことが報告された。それゆえ,この種の二型花柱性は本来三型花柱性であったものから,中花柱花が消失することで長花柱花と短花柱花の二型になったと推定されてきた。しかし,それを論じるための繁殖特性についての調査はいまだ充分とは言い難く,また分布域全体を通じた調査も,特に日本を含む東アジア地域での調査はあまり行われていない。そこで,この種の形態・繁殖特性,さらには有効な送粉昆虫を理解するために,日本・台湾の4集団を対象にして,花形態の変異の解析や授粉実験,送粉昆虫の調査等を行った。その結果,これらの集団はいずれも他の地域での報告と一致する二型花柱性を示すことが確認された。花粉サイズは,長花柱花よりも短花柱花の葯の方が有意に大きいが,同一花の高さが異なる葯間には有意な差は認められなかった。また,人工授粉実験により二型花は自家・同型花不和合性を示すこともわかった。三型花から二型花柱性に変化したとすると,中位の位置の葯にとっては本来の送粉器官(中位の柱頭)が失われてしまったことになるが,短花柱花の中位の葯は長花柱花の柱頭と,長花柱花の中位の葯は短花柱花の柱頭との間で和合性を示し,葯の高さが違ってもすでに二型性の状態にあることが確認された。さらに,送粉昆虫として西表島集団では短舌のハナバチ類,狩りバチ類がもっと有効であることが確認された。(著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (1件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
生殖 
引用文献 (30件):
  • Anderson J. M. and Barrett S. C. H. 1986. Pollen tube growth in tristylous Pontederia cordata (Pontederiaceae). Can. J. Bot. 64: 2602-2607.
  • Barrett S. C. H. 1992. Heterostylous genetic polymorphism: model system for evolutionary analysis. In: Barrett S. C. H. (ed.), Evolution and Function of Heterostyly. pp. 1-29, Springer Verlag, Berlin.
  • Barrett S. C. H. and Glover D. E. 1985. On the Darwinian hypothesis of the adaptive significance of tristyly. Evolution 39: 766-774.
  • Barrett S. C. H. and Richards J. H. 1990. Heterostyly in tropical plants. Mem. New York Bot. Gard. 55: 35-61.
  • Darwin C. 1877. The Different Forms of Flowers on Plants of the Same Species. John Murray, London.
もっと見る

前のページに戻る