抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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AIJは2014年10月に再生コンクリート骨材を用いたコンクリートの調合設計,生産および建設施工に関する勧告を発表し,建築用途にクラスHからLまでの再生骨材を含む再生骨材コンクリートを利用するためのより具体的な方法を提示した。持続可能なリサイクルシステムを確立することを考慮して,本研究は,再生骨材の中で最低品質を有するクラスLに焦点を合わせ,鉄筋コンクリート梁の保有耐荷力を調査した。梁の保有耐荷力の調査のために,基本的な鉄筋継手として使用される重ね継手の付着割裂強度に着目した。一般的に,低品質の再生骨材クラスLのコンクリートは,当初の骨材に付着したモルタルが完全には除去されずに再生骨材に含まれている。低品質の再生骨材を高い置換率で含むコンクリートは,より高い乾燥収縮率とより多数の乾燥収縮亀裂を示すことが報告されている。別の報告は,通常のコンクリートが,より高い亀裂分散性を持つために,ビニロン繊維によって強化できることを明らかにした。これらの報告に基づいて,再生骨材クラスLを有するコンクリートの乾燥収縮亀裂を減少させるために,鉄筋コンクリート梁に対し,ビニロン繊維の添加を再生骨材コンクリートに適用することを決定した。3シリーズのコンクリート試料を準備した。付着割裂強度の検討のための普通コンクリート試料として,00シリーズを参照とした。50%の低品質の再生粗骨材を混合した普通コンクリート試料を500シリーズと名付けた。30%の低品質再生粗骨材と15%の低品質再生細骨材を混合したものを3015シリーズと命名した。これら2シリーズの再生骨材コンクリート試料のそれぞれについて,ビニロン繊維を有するものとビニル繊維が無いものを準備した。本研究で用いたビニロン繊維は,原料としてポリビニルアルコールから製造した合成繊維であった。12mmの標準長さと100μmの直径を持つビニロン繊維を,コンクリート全体積の0.2%の割合でコンクリートに添加した。これらの実験において以下の知見を得た。再生粗骨材の低置換率のシリーズ(3015と3015Vシリーズ)は,より少ない乾燥収縮亀裂を持つ傾向を示した。再生骨材コンクリート梁における乾燥収縮亀裂の有意差は,ビニロン繊維の有無の間に存在しなかった。1年後の付着割裂強度は,コンクリートの圧縮強度が増加したため,5週間後より高いことが分かった。通常のコンクリートと再生骨材クラスLを有するコンクリートとの間に,また,ビニロン繊維の有無の間にも差異に関して傾向が無いことが確認された。これらのすべての試料が同じ付着割裂強度を示した。付着割裂強度比を得るために,重ね継手に関する付着割裂強度の式の計算値によって実験結果を除算した。再生骨材クラスLを有するコンクリート梁に対する比は,普通コンクリート梁に対するものに等しいか,またはそれより高かった。このことは,付着割裂強度の式が再生骨材コンクリートの梁にも適用できることを示している。(翻訳著者抄録)