文献
J-GLOBAL ID:201802214260586806   整理番号:18A0656810

負の歴史的遺産における生活実践の伝承可能性-ハンセン病療養所におけるアートプロジェクトを事例として-

The Possibility of Passing Down Living Practice in a Negative Historical Legacy: A Case Study of an Art Project in a Leprosy Sanatorium
著者 (1件):
資料名:
号: 21  ページ: 41-55  発行年: 2015年12月25日 
JST資料番号: F2144A  ISSN: 2434-0618  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,多様な建造物群や自然景観,歴史的景観を保存し,広く公開しようとする動きが活発化しており,その中でもとくに戦争,災害,公害,差別といった否定的記憶を伝承する負の歴史的遺産への関心が高まっている。歴史的遺産の中には多様な要素が含みこまれており,その中のどこに光をあてるのかを争点とする議論が活発化している。本稿では,差別をめぐる負の歴史的遺産であるハンセン病療養所を事例として取り上げ,この点について検討を行う。ハンセン病療養所をめぐる先行研究においてはこれまで「被害の語りが圧倒的に優位な立場を確立することで,そこに回収しきれない多様な語りが捨象されてしまう」点が問題として指摘されてきた。ハンセン病療養所の保存・公開においては「被害の語りが優位になる陰で捨象されがちな主体的営為をいかに伝えていくのか」が問われているのである。本稿では香川県高松市大島のハンセン病療養所における食をテーマとするアートプロジェクトを媒介とした保存・公開活動を事例として,この問いを検討した。活動の軸の1つである,大島を味わうことをテーマとしたカフェシヨルにおける取り組みの分析を通じ,そこでは楽しみを伴う主体的営為としての食をめぐる複数の生活実践が巧みに表象されており,従来捨象されがちであった入所者の多様な経験が継承されていることが明らかになった。人々によって紡ぎだされる物語が多様であることを鑑みれば,アートプロジェクトを含めたさまざまな手段を媒介として主体的営為を表出する取り組みを活発化させることが可能であると考えられる。(著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (1件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
住居地域計画一般 
引用文献 (29件):
  • 阿部安成,2013,「海きて,島みて,島知って-療養所の島を会場とする瀬戸内国際芸術祭2013観察記録」『滋賀大学経済学部Working Paper Series』189.
  • 青山陽子,2014,『病いの共同体-ハンセン病療養所における患者文化の生成と変容』新曜社.
  • 有薗昌代,2008a,「国立ハンセン病療養所における仲間集団の諸実践」『社会学評論』59(2):331-348.
  • - ,2008b,「『生活者』としての経験の力-国立ハンセン病療養所における日常的実践とその記憶」桜井厚・山田富秋・藤井泰編『過去を忘れない-語り継ぐ経験の社会学』せりか書房,104- 120.
  • 東浩紀,2013,「観光地化の現実を知る」東浩紀編『福島第一原発観光地化計画』ゲンロン,26.
もっと見る

前のページに戻る