抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国内外の石油・化学プラントの多くが老朽化と熟練作業員の減少という深刻な課題を抱えており,保全力の低下から可燃性ガス漏洩等による大型事故発生の懸念が高まっている。現状のガス漏洩検知手段では,警報発報時の漏洩元特定が容易でなく,事故大型化のリスクがある。このリスクの最小化を目指して,我々は,可燃性ガス漏洩を遠隔から常時監視するシステムを開発した。このシステムでは可燃性ガスの空間的な広がりを映像としてとらえ,画像処理を施すことでガス漏洩位置と濃度の推定を行い,作業者がガスの存在を分かりやすいように可視画像の上に重畳表示する。このようにして早期発見・早期対応を可能にすることで事故大型化のリスクを最小化する。我々のシステムでは,赤外線カメラを用いて,ガスの存在を赤外線映像における信号変化としてとらえる。映像には他のさまざまな要因(物体の動き,太陽光の変化等)による信号変化が同時に生じるため,ガスの存在を知るには信号の分別認識が必要である。我々はこの分別識別を実現する画像処理アルゴリズムを開発し,人の目に頼らずとも自動的にガスの存在を検知する方法を構築した。上記画像処理アルゴリズムを搭載したカメラをネットワーク接続により複数連携して広大なプラントを集中監視するシステムを開発した。監視エリアでガス漏洩が発生した場合,アラーム発報とともにモニター上にガス漏洩の状況を映像で表示することで,現場の状況把握を助け効率的な保全作業の実現につなげる。この取り組みは経済産業省が推進する産業保安のスマート化構想と一致しており,現在その先のIoTビジネスを見据えた開発を進めている。(著者抄録)