抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では転換畑の排水不良要因を解明するため圃場が隣接する排水路およびクリークに着目し,水位変動の実態とその水位が隣接圃場の排水性に及ぼす影響ついて調査した。まず,地域内で排水路水位の異なる2つの転換畑を調査した。結果,8月下旬~9月下旬までの排水路水位に顕著な差が見られた。低水位排水路で田面から-100cm程度の水位の時に,高水位排水路では-40cm程度を維持した。また,降雨時の排水路水位上昇程度にも差が見られ,降雨時に低水位排水路の水位が-78cmの時に高水位排水路は-42cmあり圃場が位置する流域の排水能力に違いがあることも明らかとなった。次に,排水路水位が隣接圃場の地下水位に及ぼす影響を調査した。排水路水位が低位に変化した時の圃場地下水位を測定した。結果,排水路水位の低下に伴い,直ちに圃場地下水位が低下したことから排水路水位が隣接圃場の地下水位に影響を及ぼしていると推察された。さらに,クリーク地帯でその水位が暗渠排出能力に及ぼす影響について調査した。暗渠排出量は水位によって大きく異なった。低水位の時は降雨強度に伴って排出量が増加した。一方,豪雨による急激な水位上昇で高水位時の排出量は0.2mm/hと著しく低下し,高水位時は排出が抑制されることが示唆された。以上のことから,排水路の高水位が隣接圃場の地下水位の上昇,暗渠からの排出の抑制を誘発し,圃場の排水性に大きく影響していると考えられた。(著者抄録)