抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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浅間-前掛火山の噴出物のテクスチャは,マクロスケールとマイクロスケールの両方で多様である。噴出過程に関する情報を得るために,本論文では12世紀以来の噴出物について述べる。それらは5タイプ(タイプ1-5)に大別される。タイプ1-4は,AD1783,1128,1108年に起きた大規模な噴火の生成物中に観察されるが,タイプ5は上部山腹斜面の地表面および1783年の噴出物を覆う黒色土中に存在する。タイプ5は,パンの耳状火山弾と灰分粒子を含む角張った塊状の石質破片から構成される。1783年の噴火以来,活発なブルカノ式噴火や火山灰の放出が繰り返し発生している。そして,この活動は20世紀前半に特に激しかった。これらの事実から,タイプ5は,クレータ底部につながる浅い火道内で凝固したコヒーレントなマグマの断片であると解釈される。一方,タイプ1は,軽石砕屑物から構成され,降下火砕堆積物の多くの降下層を形成している。タイプ1は,小規模なプリニー式噴火の生成物とみなされ,それは小胞化されたマグマの断片で構成されている。タイプ2は,火砕流堆積物に含まれる火山礫サイズから塊状サイズの砕屑物である。タイプ3は,火砕岩が溶結したものであり,火口近傍の凝集岩および砕屑性溶岩流に相当する。角張った石質断片は,ブルカノ式噴火(タイプ5)に現れるだけでなく,大規模な火砕流噴火(タイプ4)にも見られることが注目される。角張った形のタイプ4は,タイプ5と同様に脆性破壊を示し,ある種のブルカノ式噴火を示唆している。タイプ4はまた,密に溶結したテクスチャを有する。タイプ3とタイプ4の溶結の程度は連続的であり,多分浅い火道を含む非常に火口に近い領域における,断片化,火砕物の堆積,および溶結の複雑なプロセスを示唆している。タイプ2は,浅間-前掛火山の特徴であり,複数のドメインと内部の不均質な溶結テクスチャからなるごつごつした形態を有する複合ブロックから構成される。タイプ2の起源を理解するためには,浅い火道および/またはクレーター内の火砕流物質の断片化,凝集および溶結を含む噴火と類似した複雑な過程が必要となる。(翻訳著者抄録)