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J-GLOBAL ID:201802219237785881   整理番号:18A0627067

野生動物に積極的に関わらない選択をする限界集落の“合理性”-栃木県佐野市秋山地区を事例として-

The Rationality of Life in a Marginal Hamlet without Preventative Measures against Damage Caused by Wildlife: A Case Study in Akiyama District, Tochigi Prefecture
著者 (1件):
資料名:
号: 23  ページ: 67-82  発行年: 2017年12月20日 
JST資料番号: F2144A  ISSN: 2434-0618  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
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限界集落における獣害問題は,人と自然のインタラクションのもっとも典型的な「失敗例」の1つにされがちである。人と自然の共存関係を取り戻すためには,限界集落で暮らす人びとだけでなく,都市住民も新たな地域の担い手として加わるような仕かけが必要だといわれている。しかしこのような研究者の判断は,限界集落化している当該地域の人びとの価値観とは必ずしも一致していない。そこで本稿は,獣害の最前線に位置する限界集落で暮らす人びとが,「むらの消滅」が現実化するなか,外部の人を地域に呼び込みつつも,「集落ぐるみの獣害対策」をあえて選択しないことの“合理性”について考察を行った。限界集落化が進行すると,人びとは「むらに将来がない」ことを前提に生活を形づくっていく。すると,むらの人びとは,むらの永続性に縛られずに「むらの現在」をつくり上げる新しい自由を手にすることができるようになる。この新しい自由を活かそうとすれば,むらの永続性を前提とする獣害対策事業は,むらを生きる人びとにとって重荷になってしまいがちになるのである。本稿は,こうした村びとたちがみずから限界集落化にともなう困難な状況を引き受けて生活しているなかに,ある種の“合理性”を見いだすことになった。「人と野生動物とのインタラクションの“ある場所における今”」を分析しようとするならば,この場所で暮らす人びとが直面する現実を最大限尊重する姿勢が研究者にも求められるのではないだろうか。(著者抄録)
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分類 (3件):
分類
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農業一般  ,  異種生物間相互作用  ,  自然災害 
引用文献 (14件):
  • 嘉田由紀子,1991,「環境管理主体としての村落組織とその変容-琵琶湖岸の村の百年の歴史から」村落社会研究会編『転換期農村の主体形成-農村社会編成の論理と展開3(村落社会研究27)』農山漁村文化協会,79-112.
  • 丸山康司,1997,「『自然保護』再考-青森県脇野沢村における『北限のサル』と『山猿』」『環境社会学研究』3:149-164.
  • - ,2006,『サルと人間の環境問題-ニホンザルをめぐる自然保護と獣害のはざまから』昭和堂.
  • 松村正治・香坂玲,2010,「生物多様性・里山の研究動向から考える人間-自然系の環境社会学」『環境社会学研究』16:179-196.
  • 目黒紀夫,2010,「地元住民が野生動物保全を担う可能性-ケニア南部・マサイランドにおける事例から」『環境社会学研究』16:109-123.
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タイトルに関連する用語 (5件):
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