抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
京都中央部には多くの街路を持つ歴史的空間がある。都市開発の過程において,これらの空間の多くは人々のための生活空間として自然に発達してきた。街路を持つ京都の歴史的都市景観は,一般的にその特別な魅力と考えられてきた。しかし,近年,そのような都市景観が着実に消滅している。これらの開発に対して,このような街路を保護する対策が京都市で開始されている。本論では,田の字地域として知られている京都の中央地域を対象として,2006年から2016年までの期間にわたり,区画の変換,所有権の推移,建物の利用に関する変化を明らかにすることにより,街路の消滅を分析し議論することを目的とした。最初に,この期間中に消失した街路を明確に同定した。対象地域の街路の総数は,この期間に424から391まで減少し,33(7.78%)の街路が消失した。消失に関しては,2007年に急速な上昇があり,2009年までは一般的に減少し,その後,再び増加し始めた。近年,消失率は南西地域で増加している。以下の3つの典型的な街路の消失パターンを同定した。1.街路を含む土地の区画が所有者によって販売され,その結果,通路に沿った建物が解体されるパターン。このような土地の購入者は通常ビジネス企業である。通路が消えた直後に,結果として土地は隣接する土地と融合し,十分な広さの土地を作り出し,非常に頻繁に集合住宅が構築されている。いくつかの事例において,駐車場が最初に建設され,数年以内に,集合住宅がそのような土地に建設される傾向が観察された。2.この土地の個々の所有者が,街路を含む土地の所有者,あるいは,相続権利を通してそのような土地の所有権を得る個人が,通路に沿って既存の建物を解体し,それらを新しい戸建住宅に置き換えることを決定するパターン。このような事例では,区画の融合化が行われていないので,戸建住宅が1つ以上の区画で建設されているにもかかわらず,土地の公式区分は,その物理的消失に先立ち,依然として通路を示している。3.街路に沿う建物の所有者が建物を解体した後に駐車場が建設されるパターン。駐車場を構築するために使用される土地はしばしば複数の区画からなるが,区画の融合が行われないので,土地の公式区分は,その物理的消失に先立ち,依然として通路を示している可能性がある。(翻訳著者抄録)