抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Sulu地域のDonghai郡におけるQinglongshanおよびJianchang地域から収集したUHPエクロジャイトの鉱物学に基づいて,約620~750°C,2.9~3.7GPaの超高圧(UHP)条件下における角閃石の安定度を調べた。研究した試料は主にザクロ石,オンファス輝石,角閃石,ルチル,藍晶石,石英,緑簾石,及びフェンジャイトから成る。角閃石はその産状に基づいて3つのタイプに分類できる。AMP I,ザクロ石及び緑簾石中の包有物;AMP II,マトリックス相;AMP III,粒界に沿って発達した小粒子(約10~30μm)。QinglongshanからのAMP Iは,主にバロア閃石-タラマ閃石であり,Amp IIよりもNaBにやや乏しい(BサイトのNa含量<1.2a.p.f.u.)。AMP IIは,いくつかの粒子の周縁部を除いて各粒子の大部分の組成が均質であるバロア閃石(NaB=1.1~1.4a.p.f.u;Si=7.0~7.5a.p.f.u.)で,各タイプ中最も高いNaB値を示す。AMP III,は主としてパーガス閃石-タラマ閃石で,Amp IIのそれより明らかに低いNaB(=0.3~1.15a.p.f.u.)を示す。一方,JianchangからのAmp IIとAmp IIIは,それぞれニビョー閃石とタラマ閃石で,Jianchangの角閃石の(NaA+NaB)値の合計は,Qinglongshanの角閃石のそれより明らかに大きい。コーサイトの多結晶石英仮像とバロア閃石組成のAmp Iは,Qinglongshan試料の緑簾石粗粒粒子内で見つけられた。これらの岩石学的データは以下の進化史を示唆している。比較的低いNaB値を有するAMP Iは,エクロジャイトの圧縮時に晶出し他の鉱物粒子に包有され,その後,バロア閃石質Amp IIが圧力のピーク時に安定相として生じた。最後に,非常に低いNaB値を有するAmp IIIが圧力減少段階で形成された。したがって,Ca-Na角閃石(Amp II)はUHP条件下でもエクロジャイト中に安定に存在し得たと結論した。加えて,相当量のF(最大1wt%)が,Qinglongshan試料中のバロア閃石質角閃石から検出された。少なくとも研究対象地域からのいくつかのエクロジャイトは,UHP条件下でF含有流体の交代作用的浸潤を被った可能性がある。(翻訳著者抄録)