抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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・最近の結晶学会ではPDF解析のセッションが増加し,電池や触媒などの動作環境下での動的構造変化の研究がされていて今後更に発展すると考えられ,ここでは大型放射光施設で行われているPDF解析の動向を紹介。
・全散乱計測データにPDF(ニ体相関分布関数法)を適用して,密度・濃度ゆらぎや短距離(ユニットセル以下)から中距離(ナノメートルスケール)の構造解析が可能であるが,その為には広範囲の正確な散乱強度を測定する必要。
・放射光X線を利用するのは,大強度X線と高いQ(Q=4πsinθ/λ)レンジの散乱強度が必要だからであり,データ収集時にコンプトン散乱を除去するための検出器やアナライザ結晶を使用。
・相変化非晶質材料であるGe
2Sb
2Te
5の構造解析では,大規模密度汎関数-分子動力学シミュレーションからの理論構造モデルを出発にして,PDF解析を行い,SbとTeの異常散乱を用いたK吸収端近傍の元素選択PDFデータ解析を行い,その結果,GeあるいはSbの2個,Teの2個の原子から構成される4員環がSnを介したネットワークを構築し,記録消去において結晶化の核生成の種となり,SbとTeは結合が存在しなくても,ネットワークを構築し,レーザ照射により素早くSb-Te結合を形成し,これが光ディスクの高速書き換えの要因であることを解明。
・オペランド計測のPDF解析と固体Li-NMRスペクトルを組み合わせ,FeOFを正極材料とする蓄電池の充放電過程の直接観察を行い,鉄電極中にFリッチ相とOリッチ相とが連続的反応を起こすことを解明。
・Spring-8およびJ-PARCを利用した構造解析,PDF解析,XAFS解析から,水素吸蔵合金の水素吸蔵放出サイクルによる転移の導入メカニズムの解明。
・シンクロトロン放射では一次元のデータしか得られないので,三次元解を得るには,他の計測手法との整合性を検討。
・短波長のX線源,集光素子,高エネルギーX線対応の検出器を用いてPDF解析が可能で,SiO
2ガラスネットワーク構造とSiO
2四面体構造の4員環と6員環の解明の紹介。
・ドメインを持つ材料の構造解析では,平均ドメイン構造とドメイン内部の局所構造との差異を解明可能。