抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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新興国の著しい経済発展により,近年チョコレートの需要量は上昇しており,世界的なカカオの供給不足が懸念されている。カカオが他の一次産品と異なるのは,原料そのものの輸出入で完結せず,チョコレートに加工するために食品業界が複雑に関わるからである。カカオの原産国は中南米であるが,生産拠点がアフリカにシフトした背景には,アフリカの植民地化,奴隷貿易の禁止,キリスト教の伝播,森林破壊問題がある。先進国のチョコレート消費量,消費額は多いが。減少又は微増にとどまるのに対し,中国,インド,ロシア,ポーランド,ウクライナ,北アフリカ諸国などの伸びは著しい。その他,ヨーロッパ諸国による植民地統治でアフリカ大陸における人々の移動をやめさせ,定住化させたのがカカオ栽培であること,筆者が行ってきたカメルーンにおけるカカオ生産について,1884年からのドイツ占領時代,1922年からの第一次世界大戦以後における大規模経営から小規模経営への移行,1960年の独立以後の労働力確保の問題,さらにカカオ生産の生態環境への影響,流通及び消費者の対応,などについて記述した。