抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿は筆者らが関わった分散型水管理とコミュニティ形成に関する報告を行い,その意義を考察する。福岡市の樋井川流域における水害対策として,自助・共助・公助をバランスよく追求する「樋井川流域治水市民会議」が2009年10月に発足した。2015年11月まで活動した集まりを通して,要素技術の実装,流域治水の啓発,整備計画への反映など,一定の成果が得られた。その後課題であった日常的な地域活動と非日常的な水害対策との連動を図るべく,新たに「ミズベリング樋井川会議」を2016年5月に立ち上げた。ここでは毎月,水循環に関する科学と経験知の共有,雨庭や各戸貯留活用施設の視察と設置,清掃やウォーキングなどの活動が行われる。そのことで分散型水管理が広がるとともに,市民の創造的な自己実現が可能となる。こうした動きは水循環と社会の健全な連動に寄与するものと考えられ,都市型水害対策を分散型水管理で実現すべき多くの他地域に示唆を与えるだろう。(著者抄録)