抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ペトリネットは,離散事象システムを表現・解析が可能な数学的手法の一つである。ペトリネットの動的解析には初期状態からの振る舞いを状態空間として生成する必要があり,状態空間が大規模になると計算時間や記憶領域のコストが大きくなる状態爆発の問題が存在する。大規模ネットに対する現実的な解析法として,ネット分割やネット縮約がある。ペトリネットのプレース内の重み付きトークン総和が一定であることを示す性質にS-インバリアントがある。状態方程式からインバリアントを求めるが,その総数は一般的に未確定であり,安定的な振る舞いの部分ネットを容易に取り出すことは性質検証や状態生成において有益であるといえる。本研究はペトリネットの部分ネット分割を行うにあたり,プレース間のトークンの増減の比率を接続とする,重み付き有向グラフ「フローネット」への変換を行う。フローネット上でトークン数が一定であることを示す基準としてStabilityを定義し,与えられた分割に対しStabilityに基づき評価する最大化問題へ帰着させる。分割はノード集合の集合族で得られるが,連結成分のみを抽出することで効率化を図る。本稿では,対象ネットを閉路ネットに限定し,活性なFCネットを例に安定部分ネットの検知が可能であることを示した。(著者抄録)