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J-GLOBAL ID：201802228126751152   整理番号：18A2207361

区画内全体火災時における鋼部材の破壊確率評価

ESTIMATION ON FAILURE PROBABILITY OF A STEEL MEMBER AT FULLY-DEVELOPED COMPARTMENT FIRE

著者 (3件)： 尾崎文宣 (名古屋大学大学院環境学研究科) ,  手塚圭介 (前 名古屋大学大学院環境学研究科) ,  森保宏 (名古屋大学大学院環境学研究科)
資料名： 日本建築学会構造系論文集  (Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ))
巻： 83  号： 753  ページ： 1725-1733(J-STAGE)  発行年： 2018年 
JST資料番号： F0393B  ISSN： 1340-4202  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 日本建築学会によって推奨される鋼構造の耐火設計(AIJ勧告と呼ぶ)は,実際に耐火性能を確保するための設計指針として日本で広く使用されている。AIJ勧告では,可燃物の発熱量,作業荷重,および高温での鋼材強度に基づく火災荷重のような建物火災における不確実性を考慮するために,鋼部材の火災作用と耐荷力の両方に対する検証法での使用のために過剰な安全係数が必要である。しかし,過剰な安全係数の妥当性は十分に研究されていない。特に,耐火設計における主な不確実性源のひとつである積載火災荷重の不確実性を考慮した鋼部材のための耐火性能の定量的推定が行われていない。本研究の主目的は,区画火災によって上昇した積載火災荷重の分散と鋼部材温度の分散との関係を定式化することによって,フラッシュオーバ(区画内全体火災)後の自然火災における被覆鋼部材の条件付き破壊確率に関する理論解を提案することである。被覆鋼部材の熱伝導解析と区画火災ゾーンモデル解析を組合せたモンテカルロ(MCと呼ぶ)シミュレーションを用いて数値解法を実施した。火災区画の室内温度および火災継続時間に及ぼす積載火災荷重の分散の影響を,区画火災ゾーンモデル解析によって調査した。各種の火災作用下の鋼部材温度をシミュレートするために,各種の区画室サイズ,開口部サイズ,保護と鋼部材の厚さ,火炎温度上昇係数を解析において考慮した。さらに,積載火災荷重,死荷重および活荷重,および高温での鋼強度を考慮して,区画内全体火災の下での鋼部材の理論的破壊確率モデルを提案し,その適用性を,MCシミュレーションを用いて検証した。本論文の結論は以下の通り要約できる。1)MCシミュレーションを用いたパラメトリック区画火災ゾーンモデル解析の計算結果に基づいて,火災区画室の最大温度と火災継続時間の両方の変動係数が火災区画室の床面積に依存しないことを明らかにした。2)区画内全体火災の下での鋼部材の最高温度の標準偏差は,その平均温度と積載火災荷重の変動係数の両方の値に依存する。鋼部材の最高温度の標準偏差と積載火災荷重の変動係数との関係は,方程式(3)によって推定することができる。3)区画内全体火災の下で理論的に推定した鋼部材の破壊確率は,積載火災荷重,死荷重および活荷重および高温での鋼強度の不確実性を考慮してMCシミュレーションを用いて解析的に推定した破壊確率と良く一致した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 学協会 ,  *鋼構造 ,  *耐火設計 ,  *区画火災 ,  指針 ,  不確実性 ,  耐火性 ,  フラッシュオーバ ,  計算機シミュレーション ,  モンテカルロ法 ,  数値解法 ,  モンテカルロシミュレーション ,  安全率 ,  計算機利用 ,  利用
準シソーラス用語： 安全係数 ,  設計指針 ,  日本建築学会

著者キーワード (10件)： 鋼構造耐 ,  区画内全 ,  鋼部による鋼部の鋼部 ,  積載による積載の積載 ,  モンテカ ,  鋼構造物の耐火設計 ,  完全に開発された区画火災 ,  火災時の鋼部材の破壊確率 ,  生きた火災負荷の変動 ,  モンテカルロ法

分類 (2件)： 金属構造  (RA04050W) ,  火災  (RA02020B)

引用文献 (19件)：

• 1) AIJ : AIJ Recommendation for Fire Resistant Design of Steel Structures (Third Edition), Maruzen, 2017 (in Japanese)
  日本建築学会:鋼構造耐火設計指針(第3版), 丸善株式会社, 2017
• 2) Building Guidance Div., Housing Bureau, MLIT : Manuals on Fire Resistance Verification Methods and the Calculation examples, Inoue-shoin, 2001 (in Japanese)
  国土交通省住宅局建築指導課他, 耐火性能検証法の解説及び計算例とその解説, 井上書院, 2001
• 3) Eurocode 1 : Actions on structures, Part1-2: General actions - Actions on structures exposed to fire, EN 1991-1:2002, 2002
• 4) Eurocode 3 : Design of steel structures, Part1.2: General rules Structural fire design, EN1993-1-2:2003, 2003
• 5) Suzuki, J. et al. : Reliability Analysis of Steel Members in Building Fire, Jounal of Structural Engineering, Vol. 48B, pp. 111-118, 2002.3 (in Japanese)
  鈴木淳一, 石原慶大, 大宮喜文, 河野守, 松山賢, 若松孝旺:火災時における鋼構造部材の信頼性解析, 構造工学論文集, Vol. 48B, pp. 111-118, 2002.3

タイトルに関連する用語 (5件)： 区画 ,  火災 ,  鋼部材 ,  破壊確率 ,  評価