抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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立正大学ウズベキスタン学術調査の一環として,ウズベキスタン南部,スルハンダリヤ州周辺において,地形環境を明らかにする目的で2016年より調査を行っている。本稿はその研究の第一歩として,スルハンダリヤ州テルメズ近郊のアムダリヤと接しているカラ・テペ,カンピル・テペ,ファヤズ・テペ,ズルマラ仏塔などの遺跡が立地する地形の特徴を明らかにし,その形成過程を検討した。その結果,テルメズ周辺のアムダリヤ氾濫原との間にある遺跡は,スルハンダリヤ州の中央部を構成する平坦面がアムダリヤ氾濫原と接する急崖近くに立地していること,これらの施設はその立地する地形の特性から,天然の要害を利用してつくられたことが明らかになった。また,急崖はアムダリヤの下刻によって形成されたものではなく,河道の水平移動による側刻によって形成されたこと,大規模なアムダリヤの河道の水平移動は,アムダリヤ左岸のアフガニスタン側に分布する砂丘の西風による東への移動と関係する可能性が指摘された。さらに,遺跡の時代から現在の間にも,側刻が行われた時期があり,それに対応して遺跡が立地している平坦面上には多数のガリーが形成され,それらは現在も発達途上にあること,現在はアムダリヤの河道が急崖から少し離れることにより,急崖の下には広い氾濫原が残り,灌漑によって水田となっていることも明らかになった。(著者抄録)