抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ビデオによる発情行動の連続観察および歩数計により,同時発情条件下での発情行動の特徴を明らかにした昨年度に続き,今年度は,これら同時発情と単独発情での行動を比較し,その違いを解析した。その結果,同時発情では,単独発情と比較して発情行動の強度は高くなるが,行動量には影響しないこと,および行動量を基準とした発情開始時間は早まることが分かった。したがって,特に行動量の上昇から授精適期を判断する場合,同時発情では単独発情よりも発情開始から排卵までの時間が長い,という点に留意が必要である。また,行動量の上昇を裏付けている発情行動は,同時・単独発情間で異なると考えられ,行動量上昇による発情開始を指標とした場合,単独発情の下位牛では,同時発情の上位牛よりも,授精適期が半日程度早くなる可能性が示された。単独発情ではスタンディング行動の相手を見つけられないため,他の牛の匂いを嗅いで回る行動や,マウンティング/スタンディング行動が不成立になった結果と推測される頭突き行動がより頻繁に見られ,単独発情では顎のせ行動までは他の牛に許容されても,それに続くマウンティング行動につながらないケースが多いものと推測できる。スタンディング行動に関しては,上位牛の単独発情で最も見つけにくいと考えられ,単独発情の下位牛では,匂い嗅ぎおよび頭突きが最も優勢な発情行動であることが示唆された。以上発情頭数と牛群内順位は発情行動に影響することが示され,その結果授精適期の判断にも影響することが分かった。(著者抄録)