抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,主としてアジアやアフリカの旧植民地の西洋列強が建設した都市や建築の文化遺産価値が理解され始めている。都市や建築が旧植民地にとって歴史的な負の遺産だとみなされる傾向がある。一方,最近の研究はそれらが都市の近代化を表し,受け入れ,他と共存している重要な遺産であると言っている。そのような枠組みで2010年に始まった共有遺産についての議論で,植民地の建築は現代の重要な要因の1つであり,現在と過去の連結部分である。しかしながら,そのような都市や建築が背後に隠れ,近年経済状態が進展しているので,それらのうちのいくつかは文化遺産として評価され保護される前に破壊されている。それゆえ,共有遺産として旧植民地の都市や建築を検討するため,その建築を含め都市の形成を明らかにする必要がある。旧植民都市の基盤は,西洋列強によって建設された。植民都市はもともと,西洋列強によって貿易や軍事機能で必要とされた農村地域や村の形式で存在した。さらにこれらの都市はこれらの機能が拡大されるにつれて絶えず形成された。各宗主国の人々が訪れるとき,都市は様々な機能を考慮して計画都市として建設され始めた。殊に,熱い気候の植民地に配置された人々のために計画された丘の駅は,こうしたさま様な機能の必要事項によって形成された計画都市のタイプの1つである。ゆえに,本研究においてベトナムの丘の駅,ダラットの形成における都市形成を,フランスによって必要とされた機能に焦点を当てて示す,そして本研究の目的は計画都市と呼ばれる西洋から齎された近代的な考え方の受容と発展を示すことである。第1章は,関連する原文献の収集と分類に焦点を当てる。過去の研究で利用された文献を保有している機関の立地を把握するため,本研究に関連する文献を確認した。第2章は,全ダラットの都市計画を年代順に系統だてる(編成する)そしてゾーニングの変化と市の機能変化を示すことに焦点を当てる。第3章は,文書セットから第2章で示した機能に関する論説を抜粋する。第4章は第2章で示した都市形成と第3章で示した必要な機能を年代順に比較する。その結果,要望から反映までは時間に差はあるけれども,要求される機能が都市形成に反映されることが示される。そしてダラットは,さまざまな新しい機能を持つ必要条件によって形成された都市である。第5章は,現在のダラットがフランスによって導入された近代的な考え方が如何に展開されたかを建築のフィールド調査から示した。その結果,ツーリズムのような現代の産業が植民時代の間ダラットの都市形成に大きな影響を及ぼした。さらに,上流階級用のグランドホテルのいくつかが植民時代に建設された一方で,全ての階級に宿泊施設を提供するミニホテルと呼ばれる小さなホテルが現在多数建設されている。(翻訳著者抄録)