抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2015年10月に温帯低気圧が急速に発達しながら日本海を北上し,その後,北海道の西の海上を通過し,さらに発達しながら北海道の北に抜けた。この低気圧による強風,高波および高潮により,日本各地の港湾で被害が発生した。とくに,この低気圧が接近した北海道沿岸の港湾に被害が集中し,防波堤ケーソンの滑動,船舶の接触による岸壁の損傷などの被害のほか,港湾地域の浸水被害も発生した。道東の太平洋沿岸の釧路港では,港湾施設の被害のほか,浸水被害も発生したため,それらの状況を把握することを目的とし,関係者へのヒアリングおよび浸水痕跡測量の現地調査を実施した。本調査で得られた結果は以下のとおりである。(1)係留されていたコンテナ船が,強風により岸壁に接触し,岸壁の各種施設が損傷した。(2)波浪によって,護岸の被覆ブロックおよび方塊が飛散する被害が生じた。(3)東港区での浸水範囲は限定的であり,西港区での浸水範囲は約0.9km
2(90ha)と広範囲であった。(4)当時の降水量は少なかったことから,浸水の要因は,雨水によるものではなく,高潮によるものと考えられる。(5)西港区での潮位は,そこから約4km離れた東港区の潮位よりも1m前後高かった。この要因を明らかにすることが今後の課題として挙げられる。(著者抄録)