抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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重力崩壊型超新星爆発などの高密度天体シミュレーションに適用可能な核物質状態方程式(EOS)を現実的核力から構築しました。具体的にはArgonne v18型2体核力とUrbana IX型3体核力から出発したクラスター変分法を用いて一様核物質EOSを作成し,それをThomas-Fermi計算で非一様核物質EOSへと拡張することにより,シミュレーションで必要となる広範囲の密度,温度,陽子混在度に対する核物質の熱力学量を完備したEOSの数値テーブルを作成しました。本研究で構築したEOSでは,従来の標準的な超新星物質EOSに比べ,中性子過剰な核物質において非一様相がやや高い温度まで残り,より質量数の大きい原子核が現れます。さらに,このEOSによって記述される高密度天体内部の核物質は,他の超新星物質EOSの場合に比べて軟らかい傾向を示すこともわかりました。本稿では,我々が新たに構築した超新星物質EOSについて解説すると共に,得られたEOSに基づく中性子星の構造や超新星爆発のシミュレーション結果も併せて紹介します。(著者抄録)