抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿ではMDO技術の概要について一般的な手法を纏めると共に,著者が取り組んできたテーマについて適用例の概要と現状課題になっている事を示す。ひとつめに,ハイブリッドロケットの設計問題を示す。ハイブリッドロケットは固体の燃焼剤と液体の酸化剤を用いるタイプのロケットであり,その安全性から大学のサークルレベルでも打ち上げが行われている。一方で,大型化を考えたときに,酸化剤の質量流量や燃焼剤の形を最適に組み合わせるのは難しい。そこで,empiricalなモデルを含めて推進・構造・空力・飛行の多分野を融合した計算を行い,構造重量の最小化と到達高度の最大化のトレード関係を明らかにした。ふたつめの事例として,複数デブリ投棄衛星の複数個デブリの会合問題を示す。ここでは,時系列的に動くデブリクラウド中を衛星が移動し,複数個1度に除去するモデルにおいて,デブリの総量をレーダー反射面積(RCS)総和で代替してその最大化と投棄衛星の軌道変更のための総増速量最小化を解く。この問題は,100のデブリを含むデータベースから,2~5つのデブリを選択し,除去する順序を決定するが,典型的な順序最適化問題であり,NP困難な問題と考えられるため,進化計算法との親和性が良い。これらの事例を通し,進化計算法の宇宙工学への有用性を議論する。(著者抄録)