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J-GLOBAL ID：201802234788051015   整理番号：18A1606054

ミューオンラジオグラフィー 原子核乾板を用いたミューオンラジオグラフィー:山岳氷河の新しい観測窓

Muon Radiography with Nuclear Emulsion Films for Alpine Glaciers

著者 (3件)： 西山竜一 (Univ. Bern, Bern, CHE) ,  有賀智子 (九大) ,  有賀昭貴 (Univ. Bern, Bern, CHE)
資料名： 日本写真学会誌  (日本写真学会会誌)
巻： 81  号： 3  ページ： 263-268  発行年： 2018年08月25日 
JST資料番号： G0165A  ISSN： 0369-5662  CODEN： NSGKAP  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本解説記事では,スイスアルプスの山岳氷河にミューオンラジオグラフィーを初めて適用した実践例をもとに,同技術の氷河研究における重要性,その将来展望について概説する。地球温暖化により氷河の融解・後退が顕著な現在では,氷河の下の基盤岩の形状を正確に理解することが氷河学上,保安上の観点から求められている。ミューオンラジオグラフィーは,その優れた空間分解能のために,現存する他の物理探査手法(氷中レーダーなど)を補完する新たな観測技術として期待されている。また,宇宙線検出器としての原子核乾板は電源を必要としないため,過酷な氷河での観測に適している。著者を含むベルン大学のグループでは,スイスアルプスの中でも最大の流域を誇るアレッチ氷河に対して同技術の実証試験を行い,最上部の基盤岩形状を5-10mの精度で測定することに成功した。今後,原子核乾板のさらなる改良やデータ解析技術の高度化を行うことによって,氷河内部構造の季節変動の理解といった挑戦的課題を解決する新たな観測手法となるだろう。(著者抄録)

シソーラス用語： *μ粒子 ,  *ラジオグラフィー ,  *原子核乳剤 ,  *氷河 ,  雪氷学 ,  安全管理 ,  基盤岩層 ,  空間分解能 ,  地球温暖化 ,  宇宙線検出 ,  データ解析 ,  季節的変動 ,  実証実験 ,  流域 ,  物理探査 ,  *内部構造 ,  可視化
準シソーラス用語： 3D形状 ,  スイスアルプス ,  *原子核乾板 ,  *山岳氷河 ,  氷河学

分類 (3件)： 雪氷学  (DC08000N) ,  放射能探査・検層  (DE10060I) ,  感光材料  (ZA03020Q)

引用文献 (25件)：

• 1) 日本雪氷学会編,“雪と氷の事典”,朝倉書店(2005).
• 2) A. Bini, J. F. Buoncristiani, S. Couterrand, D. Ellwanger, M. Felber, D. Florineth, H.R. Graf, O. Keller, M. Kelly, C. Schl.chter, P. Sch.neich, “Die Schweiz w.hrend des letzteiszeitlichen Maximums (LGM), Karte 1:500 000”, Bern, Federal Office of Topography, swisstopo (2009).
• 3) IPCC, “Climate Change 2007 : The Physical Science Basis”, Cambridge University Press (2007).
• 4) A. Linsbauer, H. Frey, W. Haeberli, H. Machguth, M.F. Azam, S. Allen, “Modelling glacier-bed overdeepenings and possible future lakes for the glaciers in the Himalaya-Karakoram region”, Annals of Glaciology, 57 (71), 119-130 (2016).
• 5) T. Strozzi, R. Delaloye, A. K..b, C. Ambrosi, E. Perruchoud, U. Wegm.ller, “Combined observations of rock mass movements using satellite SAR interferometry, differential GPS, airborne digital photogrammetry, and airborne photography interpretation”, J. Geophys. Res., 115, F01014.

タイトルに関連する用語 (4件)： 原子核乾板 ,  山岳氷河 ,  観測 ,  窓