抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自然科学を理解するためには科学的思考法が用いられる。しかし,高等学校の理科では,特に観察・実験の実施が困難な内容の場合,授業はその内容に関係する用語の提示にとどまることが少なくない。このような授業の場合,多くの生徒は重要用語を暗記することが目的となり,科学的思考力が育成されているとは考えにくい。そこで,長谷川ほか(2017),原田ほか(2018)が提唱・開発した,科学的思考力を育成する教員研修の手法を高校理科の授業に取り入れることを試みた。本授業は高校理科の地学の「恒星の進化」を扱い,高校1年生を対象に実践した。授業を実践するにあたり,原田ほか(2018)の手法に従い,「恒星の進化」を理解するために必要な概念の流れを示したコンセプト・フローと,指導チャートを作成し,これらを用いて授業を実践した。そして,授業後にアンケートを実施し教材と授業を評価した。その結果,ほぼ全員の生徒が「恒星の進化」の理解に不可欠なキー・コンセプトが理解できていた。また,何人かの生徒は,本授業実践の上位概念に位置する内容に興味を持った。これらの結果から,コンセプト・フローと指導チャートを用いた高校理科の授業は,生徒の科学的思考力の育成に効果があると判断される。(著者抄録)