抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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省エネルギーの重要性と材料のリサイクルに関する人々の認識が近年増加しているため,循環型社会を構築する様々なプロジェクトは開始されている。建築の分野でも,再生可能資源を利用する行動を取ることによって,資源をリサイクルし,環境影響を低減させる必要性に直面している。したがって,地球環境問題を解決する観点から,再生可能資源としてアルミニウムと木質材料のリサイクルに注目した。この背景に伴い,本論文は,アルミニウムと木材の2つの異なる材料で作られた合成構造柱を提案し,そこではアルミニウム箱形断面部材に木材を導入した。アルミニウム材料はアルマイト溶接のステップを必要とするため,構造部材としての利用は普及しそうが無いと考えられている。しかし,本論文で提案した手法はそのような溶接を必要とせず,このことが,鋼構造物建設と木材フレーム法において接合部材を継ぎ合わせるときに使用するのと同じ方法で,ねじやボルトなどの継手ハードウェア部品を用いる可能性を開く。さらに,本論文で提案した合成構造柱の使用により,例えば,木材の耐力の変化を制御して,アルミニウムにおける局部座屈を防止するなど,合成構造柱の異なる材料がそれぞれの材料の欠点を補うことができると結論付けた。本研究を通じて,木製部材を中に含みアルミニウム箱形断面で作られたこのような合成構造柱が実際に現場での利用に適用できるか否かについて,載荷試験による検証を計画し,また,得られた試験結果から合成構造柱に利用する特性と値を同定するための耐力評価の式を導入することを計画した。アルミニウム箱形断面,単純な木製柱,およびアルミニウム-木材の合成構造柱の3個の供試体について,純曲げ試験,剪断試験,短柱圧縮試験,および曲げ座屈試験を用いて,曲げ,剪断,および圧縮の特性を比較した。様々な試験を行うことによって,単純な木製柱の特性との比較を通じて,将来の応用分野を特定するための合成構造柱の構造特性を決定することを目指した。実験結果から,木材を中に含むアルミニウム箱形断面で構成した合成構造柱の構造特性を決定し,関連する耐力評価式を提案した。合成構造柱供試体と単純な木製供試体およびアルミニウム箱形断面の供試体との比較において,合成構造柱が耐力や変形性能などの力学特性を改善したことを確認した。この合成構造柱が現場での実用化のための十分な性能を持つことが確かめられた。(翻訳著者抄録)