抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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従来,フロントウィンドウ周りのAピラー,フロントヘッダー,インパネ上端などで構成される窓枠形状の違いが運転しやすさや楽しさに影響することが知られていた。例えば,Aピラーの傾きが小さく,長方形に見える窓枠(長方形窓枠)は運転しやすく,Aピラーの傾きが大きく,逆台形に見える窓枠(逆台形窓枠)は運転しにくいとフィーリング評価されていた。そこで,MRI(Magnetic Resonance Imaging)による脳計測で,そのメカニズムの解明を試みた。実験では,それぞれの窓枠越しに見える模擬走行環境の動画上に,ランダムなタイミングでターゲットを提示し,ターゲットが提示されたら,できるだけ早くボタンを押すタスクを課して機能的MRI計測を行うとともに,ワクワク感の主観評価を取得した。結果,逆台形窓枠は,長方形窓枠と比べて,Aピラー近くに提示されたターゲット検出において,反応時間の増大と,注意をコントロールする機能を有する脳部位における有意な活動が見られた。またこの部位の活動は,運転経験が長い被験者群において,ワクワク感と負の相関がみられた。以上から,長方形窓枠は,逆台形窓枠と比較して,注意コントロール負担が小さいため運転しやすく,ドライバーにワクワクする良い感性状態を提供できると考えられる。(著者抄録)