抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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パスワードを対象とした研究は英語をベースとした研究事例が多く,非英語圏におけるパスワードの研究事例はきわめて少ない。本研究の目的は,言語圏の違いがパスワードの生成や管理方法にいかなる影響を与えるかを理解することである。そのためのアプローチとして,クラウドソーシングサービスを用い,中国語圏,日本語圏,英語圏の代表的な例として中国,日本,英国のユーザに対してオンラインサーベイを行い,パスワードに関する教育歴や知識,パスワード生成方法,管理方法を調査した。各言語圏のユーザにアプローチするために,中国語圏ユーザにはSojumpを,日本語圏ユーザにはLancersを,英語圏ユーザにはAmazon Mechanical Turkをそれぞれ用いた。サーベイの結果,各国において80%以上のユーザがパスワードマネージャーを使わず,自分自身でパスワードを生成していること,パスワードを考える方法やベースにする単語の選び方に言語圏ごとの特徴的な差異があることを明らかにした。またパスワードの再利用率やパスワードマネージャーの利用率についても国ごとに差があることを示した。オンラインサーベイで得られた知見を確かめるために,過去に漏洩した大規模なパスワードコーパスの解析を行い,ユーザスタディの結果と比較した。この結果,中国のユーザは日付を,英国のユーザは動物関連の単語を好むという点においてユーザスタディと一致した。(著者抄録)