抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スギを用いたクロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)について,ラミナ構成,ラミナの強度等級,外層のラミナの方向が,ラミナの積層接着面に平行方向(面内方向)の曲げヤング係数,曲げ強さに及ぼす影響を明らかにするために,強度等級をMx60,層構成を3層3プライ,3層4プライ,5層5プライ,5層7プライ,7層7プライの5構成,外層のラミナの方向を長辺方向に対して平行方向(強軸方向),直交方向(弱軸方向)の2方向とした10シリーズの試験体を,幅105mm×厚さ30mmのラミナ(ラミナ同士の幅はぎはしていない)を用いて作製し,縦振動法及び曲げたわみ振動法(T.G.H.法)を用いて動的なヤング係数の測定をした後,面内方向の曲げ試験に供した。その結果,以下のことが明らかになった。(1)CLTの面内方向の曲げヤング係数,曲げ強さは,層構成,ラミナの等級,全プライ数に対する強軸方向のプライ数の割合に影響をうける,(2)ラミナの曲げヤング係数,曲げ強さからCLTの面内方向の曲げヤング係数,曲げ強さをおおよそ推定可能である,(3)CLTの面内方向の静的な曲げヤング係数は,動的な測定方法により推定することが可能である,(4)CLTの見かけの曲げヤング係数と曲げ強さの相関は高い,(5)破壊形態は強軸方向のプライの引張り側にあるフィンガージョイントを含むものが多く,試験体の上部まで破断するものが多かった。(著者抄録)