抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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陸生ナメクジLimaxは,連想的嗅覚学習の根底にある神経メカニズムを研究するためのモデル動物として使用されてきた。ナメクジはまた,その目を用いて生来,負の光触行動を示す。本研究で著者らは,ナメクジの負の走光性行動の定量化のための実験的パラダイムを開発し,負の走光性の性質が学習経験によって変更できるかどうかを調べた。実験的な構成は明暗の区画から成り,その間にナメクジは自由に動くことができる。条件付けの間,ナメクジは明区画に入れられ,暗い区画に到達すると嫌悪な刺激(硫酸キニジン溶液)に晒された。1回の条件付けセッションの後,暗コンパートメントに達する時間は,24時間または1週間後に試験したときに有意に増加した。条件付け直後のタンパク質合成阻害は,24時間後でなく,1週間後で記憶保持を損なう。記憶保持試験において,ナメクジが異なる目印を有する床に置かれた場合,暗コンパートメントに達する時間は有意に増加しなかったので,記憶の引き出しは文脈依存であった。ナメクジが明コンパートメントにあるときに嫌悪刺激が適用された場合,暗コンパートメントに到達する時間は24時間後には増加しなかった。これは,ナメクジが単一の条件付けセッションで確立できる文脈依存性の受動忌避記憶を形成する能力を示す最初の報告である。(翻訳著者抄録)