抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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セルロースは長い間断熱材として知られている。断熱性コンテナや建物の断熱は,しばしばセルロースと他の高分子材料で作られている。一般的な高分子は,非晶質部分,分子鎖の折り畳みや絡み合いなどの熱伝導を阻害する欠陥構造に由来する低い熱伝導率を有している。しかし,天然セルロースナノ繊維の不織布シート材料(ナノペーパーと呼ばれる)は,従来のプラスチックと比較して「高い」熱伝導率を示すことが分かった。特に,被膜のあるナノ繊維のナノペーパーは面内方向に約2.5W/mKであり,これはプラスチック膜より3~10倍大きい。高い熱伝導率の起源は,天然セルロースだけが持つ拡張鎖結晶であると考えられる。セルロースナノペーパーの熱伝導率と拡散率は,繊維配向,繊維太さ,細孔径および繊維界面を含む,構造依存性を有することが分かった。これらの因子の中で,ナノペーパー内の繊維配列を制御し,面内に異方性熱伝導率を持つ一方向配向セルロースナノペーパーを開発した。異方性は繊維配向度が増加すると増大した。従って,単一セルロースナノ繊維は軸方向と横方向の間の熱伝導率の異方性を有すると結論した。異方性熱伝導性ナノペーパーは,将来の薄いエレクトロニクスのための熱管理基板として熱を効果的に排出することが期待される。(翻訳著者抄録)