抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,アルティメットの男子オーストラリア代表選手,及び,男子日本代表選手を対象に「心理的競技能力診断検査(Diagnostic Inventory of Psychological Competitive Ability for Athletes.3)以下DIPCA.3と略す」を実施し,心理的競技能力の違いを明らかにすると共に,アルティメットにおける競技能力向上の為の基礎的資料を作成することである。男子オーストラリア代表選手におけるDIPCA.3の総合得点の平均値は193.38点であり,一方,男子日本代表選手におけるDIPCA.3の総合得点の平均値は,187.59点であった。また,DIPCA.3における5因子の中でも,精神の安定・集中,自信,作戦能力の3因子の平均値では,男子オーストラリア代表選手が男子日本代表選手と比較して有意に高いことが明らかになった。その一方で,競技意欲の平均値では,男子日本代表選手が男子オーストラリア代表選手と比較して有意に高いことも明らかになった。さらに,DIPCA.3における12尺度においても,有意な差が観察されたが,忍耐力,リラックス能力,決断力,判断力という4尺度の平均値では,男子オーストラリア代表選手が,男子日本代表選手と比較して有意に高い値を示した。その一方で,闘争心と勝利意欲の平均値では,男子日本代表選手が,男子オーストラリア代表選手と比較して有意に高い値を示した。特に,男子オーストラリア代表選手が,忍耐力は低くはないのにも拘らず,勝利意欲が高くはないという結果は特徴的であった。(著者抄録)