抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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林業経営における意思決定支援のための基礎資料とするため,カラマツ人工林の様々な植栽密度,間伐方法,伐期の組み合わせ(施業シナリオ)について,システム収穫表を用いた成長予測に基づいて植栽から主伐までの支出と収入を積算し,時間あたりの収益を求めた。また,植栽密度,間伐方法,および伐期が収益に与える影響を検討した。地位指数はI等地の25とし,施業シナリオは,植栽密度,間伐方法,伐期を違えた45種類を検討した。すなわち植栽密度は1,000~3,000本/haの間を500本/ha刻みで5種類,間伐方法は疎仕立(収量比数Ry=0.6~0.7)・中庸仕立(Ry=0.7~0.8)・無間伐の3種類,伐期は30年・50年・80年の3種類である。植栽密度による収益の違いを比較すると,疎仕立と中庸仕立では,植栽密度が低い方が収益が大きくなった。これは収入に差が見られないが,支出に差があるためであり,特に間伐費用と植栽費用の少なさが関係していた。無間伐については,1,000本/haが他の植栽密度より収益がより大きくなった。これは支出にほとんど差が見られないが,収入に差があったためである。伐期による比較では,伐期が長くなるほど時間あたりの収益が大きくなった。これは,伐期が長くなると収入も支出も低下するが,支出の低下する額がより大きいためである。時間あたりの支出が低下することの一つには,間伐と主伐以外の造林初期経費の時間あたり金額が,長伐期の方が安くなることが挙げられる。間伐方法による比較では,疎仕立,中庸仕立,無間伐の順に収益が大きかったが,疎仕立と中庸仕立に大きな差はなかった。無間伐は支出がより少なかったにも関わらず,収益がより小さかったことの一つには,収入において補助金の額が小さかったことが関係している。80年伐期については,生産材積がより少なかったことも関係した。(著者抄録)