抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人工知能(AI)のキーテクノロジーである深層学習(ディープラーニング)を用いて,高知工科大学環境理工学群環境解析研究室(中根研究室)では,環境分野のテーマに取り組んできた。その際,深層学習のプログラムを「実験装置」のように用いて,入力データに対する予測結果の応答を調べることにより,現象の背後にあるプロセスや因果関係を探ることを,研究の一つの柱としている。本論文では,その一例として,ダムのない中小河川である安田川の水位の予測モデルの作成の際に,96時間(1時間分解能)の時系列データと12カ月(1か月分解能)の時系列データを入力データとした数値実験を行い,両者が必要であること,12カ月の時系列データが地下水の寄与を表現するために重要であることを示すことができた。このように,深層学習は,費用対効果の大きい予測手法であるのみならず,データに基づいてプロセスの理解や因果関係について論理的に考察する能力を養うための手段としても優れている。AIの大きな社会的インパクトに有効に対処するためにも,実際にAIの一種である深層学習による研究を行った経験は大いに役に立つと考えられる。(著者抄録)