抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鋼の浸炭焼入れにおける異常結晶粒成長に及ぼすAlN粒子サイズの効果を,小角X線散乱(SAXS)分析を用いて詳細に調べた。種々のAlNサイズを調製するために,1573Kでの完全な溶体化処理による予加熱,および1423Kならびに1273Kでの析出処理を焼準の前に実施した。三つのサンプルについての同じ焼準化の後,電解抽出法で評価したAlNの全体積はほぼ同じであった。そして,SAXSの結果から,1423Kおよび1273Kでの析出処理を受けたサンプル中のAlNサイズは非析出処理したサンプルのそれよりも大きかった。1323Kから1373Kまでにおける三つのサンプルの浸炭によって,異常結晶粒成長は1423Kと1273Kで析出処理を受けたサンプルにおいてのみ観察されることを確認した。浸炭の後のサンプルのSAXS測定により,浸炭の前のより小さなAlNは,より高い浸炭温度でも小さなままでいられることを明確にした。この結果は,異常粒成長は浸炭の前のAlNサイズによって強く影響を受けることを示唆している。AlNの数密度は浸炭時間と共にゆっくりと減少し,このため,異常粒成長挙動にあまり影響せず,これはNbCのピン止の場合とは異なる。(翻訳著者抄録)