抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
九州南部に位置する霧島新燃岳は,6年間の静穏後に2017年10月に噴火した。火山ガスの分析は,深部からのマグマ湧昇がこの噴火に影響することを示す。新燃岳の最近の噴火史は,2008年と2010年における水蒸気噴火と2011年におけるマグマ性噴火を含んだ。新燃岳と周辺のマグマ供給システムおよびそれが火山活動活発化へ与える影響を調べるために,b値の空間的・時間的変動を調べた。相対的に高いb値(b=1.5)を持つ地域は,山頂下の海面下で-1.0から2.0kmの深さに位置する。この異常な地域は地殻不均一性によって発生し,それが圧力源になると思われる。2007年1月から2017年10月までのb値の時間的変動を2つの地域で調査した。山頂直下と山頂の北西7.0~8.0kmであり,後者は2011年と2017年の噴火に関連する圧力源の位置の上の領域に対応する。山頂の下のb値(b=1.4)の増加は,2009年の初期に観察され,2011年の噴火の直前と噴火中にその後の減少(b=0.9)が続いた。b値の類似の時間変化も,2017年噴火前の山頂下で観測された。これらの結果から,b値の増加とそれに続く減少はそれぞれ,熱水流体の生成による小亀裂の活性化と,より高いマグニチュードの地震を発生させる亀裂の発達を表すと推論することができる。一方,b値(b=0.6)の減少は,2011年と2017年の噴火の間,山頂の北西部で観察された。したがって,この領域におけるb値の減少は,小亀裂の活性化とこれらの亀裂系の発達及び/またはマグマ溜り近くの応力場の変化に起因する可能性があり,それはより高いマグニチュードの地震を生み出す。(翻訳著者抄録)