抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自閉症者との言外の意味を含む対話方法について学習する音声対話を用いたコミュニケーション学習支援システムの研究である。自閉症者は,会話において言外の意味を汲み取ることが困難という特徴がある。言外の意味とは,任意の言葉に対する字義通りの意味ではなく,言葉に含まれる意図やニュアンスのことである。このため,定型発達者との会話が成立しづらく,対人関係に問題を生じやすい。これは自閉症者だけの問題ではなく,定型発達者の話し方にも問題があり,より具体的な表現に置き換えることで会話が成立しやすくなる。そのため,定型発達者に対して自閉症者との対話方法を改善させる研究を行う必要があると考えられる。本研究では,事例を基に自閉症者との会話を疑似体験しながら,ユーザが能動的に自閉症者に伝わりやすい発話を模索しながら学習する支援システムを開発した。実際の自閉症者との対話に応用しやすいように,ヒューマノイド・ロボットでかつ小学生ほど身長を有しているPepperを用い,その音声対話機能を用いて,ユーザの発話に対する自閉症者の振る舞いを再現した。また,ユーザの発話の言外の意味を含む度合いに応じてPepperの反応を変化させ,ユーザの理解度に応じて適時アドバイスを行った。こうすることで,ユーザが自閉症者に伝わりやすい発話を模索する手がかりとなると考える。自閉症に関する専門知識が乏しく,かつ自閉症者と関わる可能性が高い定型発達者を対象として,事前および事後テストの成績の比較,ならびに学習に関するアンケートの分析によって,総合的に学習効果について評価する予定である。(著者抄録)