抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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オブジェクト指向システムの挙動は,リバースエンジニアリングされたシーケンス図として視覚化することができる。このアプローチはプログラム理解タスクのための有益なツールである。しかし,実行トレースに含まれる情報の膨大さのために,リバースエンジニアリングされたシーケンス図はスケーラビリティ問題によりしばしば悩まされる。この問題に対処するために,多くのトレース要約技術が提案されてきた。以前の技術のほとんどは,図の垂直サイズを縮小することに焦点を当てた。スケーラビリティ問題に対処するために,図の水平サイズを減少させることも非常に重要である。それにもかかわらず,ほとんどの研究はこの点に取り組んでなく,従って,水平要約技術の更なる開発の多くのニーズが存在する。本論文では,筆者らは,参照関係と動的特性を分析することによってトレース要約のためのコアオブジェクトを確認するための方法を提示した。コアオブジェクトに関連するインタラクションだけを視覚化することにより,筆者らは,システムの重要な挙動を含む水平にコンパクト化リバースエンジニアリングされたシーケンス図を得ることができた。コアオブジェクトを確認するために,筆者らはまず,オブジェクトの参照関係と寿命を分析することによってシステムにとって取るに足らない一時的オブジェクトを検出し除去した。次に,それらの動的特性に基づく各々の重要なオブジェクトの重要度を推定することにより,筆者らは,極めて重要なもの(すなわち,コアオブジェクト)を確認した。筆者らは,筆者らのツールに筆者らの技術を実装し,さまざまなオープンソースソフトウェアシステムからトレースを用いることによってそれを評価した。結果は,最先端のトレース要約技術と比較して,筆者らの技術がリバースエンジニアリングされたシーケンス図の水平縮小に関してはるかに効果的であることを示した。筆者らの技術の水平圧縮比は平均134.6であったが,最先端技術のそれは11.5であった。筆者らの技術によって課せられたランタイムオーバヘッドは平均167.6%であった。このオーバヘッドは,筆者らの技術の実用性を示す最近のスケーラブルな動的解析技術と比較して,比較的小さい。全体として,筆者らの技術は,小さなオーバヘッドを有するリバースエンジニアリングされたシーケンス図の水平サイズの重要な縮小を達成することができ,プログラム理解のための貴重なツールとなることが期待される。(翻訳著者抄録)