抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一充電の走行距離が300kmを超える車両の開発が進められるなど,電気自動車の開発が世界的に加速している。その背景には,動力源であるリチウムイオン電池(LIB)の性能向上がある。その中で,LIBの課題の一つである寿命(経時的な容量低下および内部抵抗の増大による出力の低下)についても関心が高まっている。LIBは,充放電を繰り返すことにより劣化(サイクル劣化)するほか,放置することによっても劣化(保存劣化)することから,実車両に搭載されている電池の状態はその使用履歴に依存し,電池寿命を客観的に評価することは困難である。そのため,サイクル劣化,保存劣化を個別に評価する手法が一般的である。国際電気標準会議(IEC)ではLIB単セルのサイクル寿命および保存寿命を評価する手法として,寿命試験法(IEC62660-1)を発行している。IECのサイクル寿命試験法ではFig.1に示すように,走行時の負荷変動や回生充電を簡易的に矩形波で模擬した出力制御の動的放電プロファイルAと登坂時の負荷を考慮した動的放電プロファイルBの2種類が用いられている。これまでに,我々は車載用LIBを用いて,これらの放電プロファイルが性能変化に及ぼす影響について評価してきた。しかし,IECの放電時負荷と実際の走行時の電池負荷との違いが寿命にどのような影響を及ぼすか明らかになっていない。本研究では,車載用LIBと同様の正極材料を用いている民生用18650型LIBを2種類用いて,IEC62660-1のサイクル寿命試験条件と実走行を模擬した放電時負荷による試験条件との比較を目的としてサイクル寿命試験を行った。ここでは実走行模擬条件として,排出ガス・燃費試験の認証試験モードであるJC08モード走行時負荷を用いた。それぞれの寿命試験時の電池負荷および劣化傾向について比較したので報告する。(著者抄録)