近年,制約充足問題の解法の1つとして,蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization:ACO)が注目されている。ACOは,探索の過程において評価が高い解候補を用いて,フェロモンというデータを更新していく手法である。しかし,このフェロモンの値が均一になってしまうと,探索に影響を与えづらいという欠点が考えられる。本研究では,従来のACOで用いられる通常のフェロモンに加え,ネガティブな情報を用いて更新されるフェロモンを新たに用いる。また,通常のフェロモンの更新に,この新たなフェロモンを用いる手法を提案する。さらに本提案手法を,ACOアルゴリズムの1つであるcunning Ant Systemに適用し,その有効性を実験的に示す。(著者抄録)
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Bui, T. N., Nguyen, T. H., Petal, C. M. and Phan, K. T.: An ant-based algorithm for coloring graphs, Discrete Applied Mathematics, Vol. 156, pp. 190-200 (2008).