抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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気候変動および気候極値は,植物成長,種分布および純一次生産量の重要な気候決定因子である。気候変動に対する生態系の感受性およびレジリエンスの包括的な定量的分析は,どの地域および種が将来の気候変化に応じて最も危険にさらされているのか特定するのに重要である。本稿では,中国北部の2番目に大きい内陸河川流域であり,半乾燥,乾燥および過剰乾燥型の生態系を含む黒河河川流域(HRB)において,短期的気候変動に対する生態系の相対的感受性およびレジリエンスを評価するために,経験的方式を提案した。2000~2013年のMODISセンサに由来する正規化植生指数(NDVI),陸面温度(LST)および可能蒸発散量に対する実蒸発散量の比率(AET/PET)の毎月の時系列に基づき,毎月のLST異常(温度可変性)および毎月のAET/PET異常(水可変性)により示される気候変動に対するNDVI異常の感受性を調べるために,複数の線形回帰および自己回帰モデルを開発した。生態系レジリエンスを反映するため,NDVI異常の1か月の遅延を考慮した。気候変動に対する感受性およびレジリエンスは,HRBの上流,中流および下流で異なった。温度可変性は上流域で植生異常を優位に支配したが,水可変性は中下流域で優位な気候要因であった。気候変動に対する半乾燥から過剰乾燥の生態系の種々の応答は,異なる気象条件および多様な植生タイプに大いに依存した。より乾いた条件の生態系は,水可変性に対しより高い感受性を示す傾向があり,より寒い気候の生態系は温度可変性に対しより感受性であった。HRBで水可変性および温度可変性に対し最も感受性の植生タイプは,それぞれ農作物および牧草地であった。草本は最小のレジリエンスを有することが分かった。半乾燥から過剰乾燥の生態系の感受性およびレジリエンスに関する筆者らの研究は,気候変動に応じた順応および緩和方策の考案および実行に有用である。(翻訳著者抄録)