抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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2015年9月25日から27日にニューヨーク国連本部にて開催された国連持続可能な開発サミット内にて,「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。このアジェンダの中では,17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals,SDGs)」が掲げられている。17の目標には,クリーンエネルギーの追求,働き甲斐と経済成長の追求,住み続けられる街づくり,海や陸の環境への配慮,気候変動に対する具体的な行動などが含まれており,以上のような社会や環境問題の解決が目指されている。以上のSDGsの取り組みを推進するため,世界銀行が発行体,BNP Paribasが主幹事となり,SDGsを推進する企業の株価に連動する債券の発行を行った。具体的には当該債券の金利(クーポン)は,ドイツのSolactive社が計算したSolactive SDG世界株価指数を構成する企業の株価と連動をしている。Solactive SDG世界株価指数は世界各国に所在する企業50社から構成されており,これらの50社は,少なくとも20%の事業がSDGsに関連して社会・環境問題の解決に資するものであることが求められている。SDGsに関連した社会貢献が十分かどうかに加えて,財務状況やボラティリティーなどの要素を加味して最終的にViego Eiris社が構成銘柄を決定している。本研究では,上記のSDGs推進企業株価に連動する世銀債(以下SDGs債)の価値評価について考察を行い,日本版SDGs債の発行に向けた提案を行うことを目的とする。(著者抄録)
