抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは,中央ミャンマーにおけるイラワジ層からの食肉類の発生について報告する。最近の10年間の集中的な調査により,イラワジ層(中新世後期から更新世前期)における各動物相の生物層序位置に関する理解が深まり,食肉類標本の発見がもたらされている。イラワジ層の基底層(後期中新世)近くのテビンガン地域から,アンフィキオン科を採集した。この大型動物はミャンマーに固有の新しい属であると考えられている。チャインザウック動物相(中新世/鮮新世境界周辺)からは大量の遺物が産出する:すなわち,レッサーパンダ科(Simocyon),大型クマ科(Agritherium),剣歯虎ネコ科(Homotherium),少なくとも3つの属から成るハイエナ科に含まれる原始的亜科属(Ictitherium),走行型(Hyaenictis),およびオオカミ型(Hyaenictithium)である。動物相は中型~大型形態から成っている:すなわち,サンプリングバイアスは,他の哺乳類と同様に食肉類の収集にも影響を及ぼすようである。これらの食肉類種数の全ては,全世界的な分布を有し,ミャンマーからの産出はユーラシア内の東南アジアにおけるそれらの地質学的ギャップを埋めるものである。さらに,動物相から不確定のネコ型亜目を収集した。グウェビン動物相(後期鮮新世)は,マングース科(Urva),中型ネコ科,およびジャコウネコ科(Viverrinae)を含んでいる。アジアの鮮新世におけるマングース科のこの最初の記録から,現存するアジアのマングース系統が,南アジアから東南アジアに後期鮮新世までにすでに分散したことが確認できる。スーレーゴン地域(鮮新世)からの後頭蓋材の産出は,追加的な分類群,すなわち,小型ネコ科および大型ハイエナの存在証拠を提供している。これらの最近収集された食肉科標本は,イラワジ動物相からの多様な食肉類の存在を明らかにしている。それらは,東南アジアにおける食肉類分布の地理的および/または年代学的ギャップを埋めるものである。さらに,食肉類群間の比較により,後期中新世からミャンマーの後期中新世までの科または亜科レベルでの食肉類動物相の入れ替わりを示している。(翻訳著者抄録)