抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
背景 特定の腫瘍組織適合遺伝子複合体(MHC)に結合するペプチド候補の計算スキャンニングはペプチドベースのワクチン開発を加速することから,種々の方法が盛んに開発されている。最近では,機械学習ベースの方法が,大量の実験データをトレーニングすることにより優れた結果を出している。しかしながら,多くの機械学習ベースの方法は,ペプチド結合を相乗的に安定化できる局所的にクラスター化した相互作用の認識において一般的に感度が低い。ディープコンボルーショナルニューラルネットワーク(DCNN)は動物の脳の視覚認識からヒントを得たディープラーニング法で,二次元画像から意味のある局所パターンを捉えるできることが知られている。ペプチドとMHCの相互作用が画像様アレイ(ILA)データ内に一旦コードされると,DCNNはペプチドとMHCの結合を予測するための予測モデルお構築に利用することができる。本研究では,DCNNはペプチドとMHCの結合を信頼性高く予測できるだけでなく,局所的にクラスター化した相互作用を高感度に検出することを示した。結果 ノナペプチド-HLA-Aおよび-B結合データはILAデータ内にコードされた。DCNNを汎特異的な予測モデルとしてILAデータ上でトレーニングした。DCNNは,15のHLA-Aアレルの43のデータセットおよび10のHLA-Bの25のデータセットから成る最新のベンチマークデータセットのための他の予測ツールよりも高い性能を示した。特に,DCNNはHLA-A3スーパータイプに属する対立遺伝子のための他のツールよりも優れていた。HLA-A
*31:01,HLA-A
*03:01およびHLA-A
*68:01のF1スコアは,それぞれ0.86,0.94および0.67で,他のツールのそれよりも有意に高かった。DCNNは,ペプチド結合を相乗的に安定化できる局所的にクラスター化した相互作用を認識することができた。DCNNを用いてペプチド-MHCクラスI結合を予測する使い易いウェブインターフェースを提供するためにウェブサーバーConvMHCを開発した。ConvMHCウェブサーバーはhttp://jumong.kaist.ac.kr:8080/convmhcからアクセス可能である。結論 ペプチド結合データをコードするILAデータでトレーニングしたDCNNを用いてペプチドとHLA-Iの結合を予測するための新しい方法を開発し,最近のIEDBベンチマークデータセットでの独自評価によるノナペプチド結合の予測におけるDCNNの信頼性の高い性能が示された。本法は,タンパク質とDNA,タンパク質とRNAおよび薬物とタンパク質の相互作用などの分子相互作用における局所的クラスター化パターンの特性化に適用可能である。(翻訳著者抄録)