抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,田村剛(1890~1979年)の言説を対象に,その用語「郷土風景」の概念の変遷を明らかにするとともに,「郷土風景論」の計画論的な特性を検証することである。そのため,「郷土風景」が193回使用された田村の7つの著作を分析した。「郷土風景」を使用する以前に,人間の体験と環境から創出される現象として構造的に風景を説明する美学に基づく論を,田村は展開していた。当初,田村の「郷土風景論」は明確な解説抜きで使用された。その後,「郷土風景」を経験する住民について論じた。第二次世界大戦前の昭和期に,人間の体験と環境で構成される現象として構造的に「郷土風景論」の理解を深化した。次の2点がこのような概念の変遷の要因として指摘できるであろう。つまり,1)田村は,住民のための「郷土風景」を理解した。2)風景と地方政策に関する法律というような国の政策に田村は影響を受けた。最後に,風景モデルの観点から田村の「郷土風景論」を分析した結果として,その計画論への示唆について論じた。本研究の結論として,計画理論の階層性,相関性,変容性を明らかにした。(翻訳著者抄録)