抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,紛争後のスリランカ北部農村において世帯が生計再建のために採用した生計戦略群と生計再建状況との関係を明らかにすることを目的とする。具体的には,因子分析とクラスター分析を用いて,生計戦略の選択行動に基づいて世帯を分類した上で,生計戦略群と生計再建状況との関係性について検討した。分析の結果,生計戦略群と生計再建状況との間には統計的に有意な連関が確認された。農業経営および非農業従事などの経済活動を中心とした幅の広い生計戦略を選択した世帯の生計再建状況は比較的良好であった。他方,公的支援の受益の有無にかかわらず,経済活動を生計戦略の中心にすることなく,幅の狭い生計戦略を選択した世帯の生計再建状況は良くなかった。紛争後の農村における生計再建を促し向上させるためには,世帯が再定住後に速やかに経済活動を開始するために必要な資金や資機材の供与・貸与などの支援が必要と言える。さらに,一時的な支援だけではなく,世帯が農業経営の規模拡大・多角化および兼業化に取り組むために必要な資金や資機材の供与・貸与を中・長期的に支援する政策を実施することも重要である。(著者抄録)