抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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噴霧フラッシュ海水脱塩は多目的OTEC技術として注目されている。システムは,フラッシュチャンバー(蒸発器),凝縮器,淡水タンクおよび真空ポンプで構成される。温度の高い表層海水は真空のフラッシュチャンバーに流れ,内部の非常に低圧の環境下でフラッシュ蒸発する。蒸発した水蒸気は凝縮器に流れる。凝縮器は冷たい海水を利用して水蒸気を凝縮できる。次に,生成した純水は淡水タンクに貯蔵する。補足すると,フラッシュチャンバーと凝縮器は,この脱塩システムにおける重要な装置である。この脱塩システムの効率を改善することが,これら装置群の効率を改善するうえで重要となる。脱塩分野における凝縮器の研究では,低圧下の凝縮と水蒸気を考慮しなければならない。さらに,凝縮器の熱伝達性能を改善するために,凝縮器用の新材料も考慮しなければならない。著者は熱伝達表面にアルミニウム合金を使用することを提案した。著者らの以前の研究では,噴霧フラッシュ海水淡水化に設置するアルミニウム板を用いたプレート熱交換器内部の水蒸気の凝縮熱伝達を測定した。さらに,本研究では,板自体の熱抵抗もあるアルミニウム合金板と従来型チタン板の凝縮熱伝達性能を比較した。その結果,アルミニウム合金の熱伝達性能はチタンのそれと同様であることが分かった。しかし,凝縮の測定では原水中の不凝縮性ガスの影響を考慮しなかった。不凝縮性ガスは蒸気凝縮において熱抵抗になる。したがって,本研究では,純水蒸気の性質を理解するために,アルミニウム合金板とチタン板上における不凝縮性ガスを含まない水蒸気の凝縮熱伝達の測定を行った。その結果,当然のことながらガスを含まない全体の凝縮熱伝達は,ガスを含む場合よりも大きいことが分かった。さらに,アルミニウム板上の凝縮熱伝達係数は,純水蒸気の下で,数種類の源水の水温および冷水の流量と温度条件について得られることが分かった。この結果はアルミニウム板を用いた板凝縮器の設計に用いることができる。(翻訳著者抄録)