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J-GLOBAL ID:201802279635421366   整理番号:18A1797747

多様なグラム陽性細菌で見られる,フラビンを用いた細胞外電子伝達機構

A flavin-based extracellular electron transfer mechanism in diverse Gram-positive bacteria
著者 (9件):
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巻: 562  号: 7725  ページ: 140-144  発行年: 2018年10月04日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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細胞外電子伝達(EET)は微生物が持つ生体電気化学過程であって,電子が細胞質から細胞外へと伝達される。鉱物を利用して呼吸する細菌はヘムを用いる巧妙な電子伝達機構を使っているが,他のEETが存在するかどうか,またそういう過程が基盤とする機構についてはほとんど解明されていない。今回我々は,食物媒介性の病原菌であるリステリア菌(Listeria monocytogenes)が,フラビンを用いる独特なEET機構を使って電子を鉄や電極へと送達することを示す。我々は順遺伝学的スクリーニングを行って,細胞外の酸化鉄還元酵素活性が消失したリステリア菌変異体を見つけ出し,8個の遺伝子からなる座位がEET過程を担っていることを突き止めた。この座位には特化したNADHデヒドロゲナーゼがコードされており,この酵素が好気的呼吸用とは別個の膜局在性キノンプールへと電子を流すことにより,EETと好気的呼吸とを分離している。他のタンパク質は豊富にある細胞外フラビンタンパク質の集合を促進していて,このフラビンタンパク質は遊離のフラビン分子の往復輸送と連動して,細胞外受容体への電子輸送を仲介している。従って,この系によって単純な電子伝達経路が確立され,これはグラム陽性細菌細胞の1枚の膜からなる構造に適合している。EETの活性化は非発酵性の炭素源での増殖を支援し,EET変異体はマウス消化管内での競争では劣勢であることが分かった。EETに関わる遺伝子のオルソログはファーミキューテス門に属する数百の種に存在し,この中には多種多様な病原体や腸内微生物相を構成する共生細菌などが含まれ,分析を行った細菌株ではオルソログとEET活性の間に相関関係が見られた。これらの知見は,EETを用いる増殖能力がもっと広く存在することを示唆しており,宿主の持つ微生物群集や感染症などのさまざまな環境中の起電性細菌にこれまで考えられていたよりも重要な関連があることが確証された。Copyright Nature Japan KK 2018
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分類 (2件):
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分子構造  ,  酵素一般 
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