抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本は海洋に囲まれた国であり,豊富な海洋資源を有する。従って,沿岸には漁業用の様々な小屋がある。“フナゴヤ”もその一つで,小さな木製の船を中に入れる小屋である。隠岐諸島には多くの舟小屋がある。本研究の目的は,隠岐諸島の舟小屋の現状を確認することである。第一に,舟小屋の分布を確認した。次に,配置について聞き取り調査を行い,代表的なボートハウスの調査を行った。その後,舟小屋と気候,所有,地域文化との関係について検討した。3つの村で新しい舟小屋を見つけ,16の村では過去に舟小屋あったことを確認した。沖ノ島町の北西には舟小屋は少ししかなく,そこでは多くの崖が見える。そして,昔は経済的に豊かな地域には多くの舟小屋があることが明らかになった。ボートハウスの六地を3種類に分類した。続いて,代表的な景観を持つ飯美村の舟小屋の配置と所有関係を確認した。舟小屋は海からの風から守ることを確認した。また,所有者の傾向は,西側の飯美川の東側とは異なることが明らかになった。舟小屋の形態を4種類に分類した。そして,すべての舟小屋を比較することによって,種類と構造要素の違いを示した。連棟型の舟小屋は梁方向に長いスパンを有し,単独型の舟小屋は棟方向に長いスパンを有する。単独型の長さの1間は,連続タイプよりも大きい。尾根方向の長さが大きい地域では,村側の壁を作り,倉庫のためのスペースを確保している。村人たちは彼ら自身で舟小屋を建設した。彼らは雑多な小さな樹木と家屋の廃材で舟小屋を作った。舟小屋の柱は地面に埋設され,屋根はスギ皮で作られた。5棟の代表的な舟小屋を調査し,そして舟小屋の建設方法の詳細を明らかにした。単独型の舟小屋は多くの丸太で作られている。連棟型の舟小屋は,正方形の木材と接続金物で作られている。連棟型の舟小屋の大部分は新しく,公的資金で建設されている。そのうちの1つは,土台を使った伝統的な方法である“在来構法”で作られている。ほとんどの舟小屋は現在使用されておらず,舟小屋のある海辺の景観は消滅している。しかし舟小屋は地域の貴重な文化資源であり,観光誘致として高い価値を有する。それらを保存し活用することが重要である。(翻訳著者抄録)