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J-GLOBAL ID:201802281014377854   整理番号:18A2020510

環境教育による地域の河川環境復元の試み-函館市亀田川の歴史的な環境問題とその解決方法からの展望-

著者 (1件):
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巻: 69  号:ページ: 21-36  発行年: 2018年08月31日 
JST資料番号: L3615A  ISSN: 1344-2570  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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本稿では北海道で最も長い開発史をもつ函館市の都市河川亀田川の環境問題とその解決の歴史を考察し,地域での環境教育とともにダムによる流量調節や魚道改修などの技術的手法によって,亀田川を子どもの水遊びや市民による野生生物の観察や採集場所として活用されるように自然環境を復元するための道筋と課題を展望した。亀田川は明治後期にはコレラ発生による衛生環境問題,昭和後期には水質汚濁問題に直面し,上水道と下水道の整備などの公共事業によって問題解決を図ってきた。しかし,平成13年家電リサイクル法施行以降はゴミ不法投棄問題に直面し,流域住民によって草の根組織「亀田川をきれいにする市民の会」が設立され,河川周辺のゴミ回収,草刈り,流域監視,意識啓発などの活動を実践してきた。また,当会では水質環境基準が達成された平成18年から,地域の子どもとその保護者を対象とする環境教育イベント「亀田川のいきものをさがそう」を開催し,のべ約1,000名の親子が参加してきた。これを契機に,亀田川では大型回収ゴミが減少し,水遊びや生物採集を楽しむ子どもも増加した。さらに水質改善が進んだ現在,亀田川に残された環境課題は,自然河川としての生態系復元である。その対策としては,河畔林の保全や拡大と河川敷の植生保護によって植物の多様性を高める必要がある。また水生動物の溯上を妨げる堰堤などの河川内構造物の撤去や改良,とりわけ魚道の適切な管理とともに上流ダムによる河川水量の調節と流量確保が求められる。さらに市民団体によるサケの人工ふ化放流などは,亀田川の生態系に新たな食物連鎖を形成して生物多様性を高めるとともに,亀田川の生態系保全に対する住民意識の啓発にも役立ち,ゴミ不法投棄問題の完全解決につながることが期待される。(著者抄録)
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分類 (2件):
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河川汚濁  ,  環境問題 

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