抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは,トマトの生産者なら特段の投資なく実施できる増収技術として,低段・多段組み合わせ土耕栽培(低段・多段栽培)に取り組んでいる。本栽培法では,慣行栽培より10a当たり換算収量が1.3~1.5倍程度の増収が期待できる。しかし,慣行より2倍の苗数が必要であること,その育苗および定植時の労力が課題である。そこで,主枝と第1花序または第2花序直下の側枝を伸長させる2本仕立て,ならびに子葉または本葉の4葉直上で摘心し,その後発生した2本の側枝を利用する2本仕立てによる低段・多段栽培がトマトの収量に及ぼす影響を検討した。その結果,苗数と労力上の課題は回避できたが,いずれの2本仕立てでも,10a当たり換算収量は,慣行栽培と比較して1.1倍程度と期待した増収効果は得られなかった。その理由には,2本の枝間で同じ開花日の果実間で光合成産物の競合が起こったと推察した。また,1株の根系では,2本の枝やそれに着果する果実の成長を維持するために必要な養水分の供給が困難であったため,樹勢が低下したことも原因の一つと考えられた。本栽培法の苗数減少に対して,2本仕立ては有用な解決策と考えられるので,果実間の競合に耐えるソースの確保,1本の根系で2本の枝の成長を促進できる養水分の供給方法,若苗利用など生育後半に草勢が落ちない栽培法の利用を今後検討する必要がある。(著者抄録)