抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究では,京都市における公共住宅の領域内で見出された地蔵(仏教神の石像)の空間構成と分布を調査し,住民によってもたらされた方法による共有空間の変換を考慮するために分析した。都市域における地蔵は主に関西地区において一般的である。京都中央部の事例において,市民は,街路における地蔵の奉祀によって,地域コミュニティのための宗教的な都市空間を伝統的に形成した。京都は,第2次大戦後の時代と高い経済成長期間の間,急速な人口流動によって引き起こされた深刻な住宅不足を被った。この問題を解決するために,主要な郊外住宅開発が加速された。これは,多くの住民の住居に新しい現代の都市空間もたらした。住民自身がコミュニティを開発する機会に接して,彼らは地蔵を含む宗教的な風習を復活した。団地内地蔵(公共住宅内の地蔵)はまだほとんど研究されていない;各団地内地蔵の現況を明らかにするために現地調査を行った。本研究は,サイト間の位置と方向を記録することを含む。調査した団地の総数は,3つの異なる住宅カテゴリーを含む148である;日本住宅公団(JHC)によって建設された都市住宅,県住宅,および賃貸住宅がある。結果として,これらの団地の55は団地内地蔵を含んでいた。地理的分布の分析によると,団地内地蔵は上京区を除く京都のあらゆる区において見出され,郊外の団地において都心の団地より多いことが示された。多くの団地内地蔵が密に集まっているいくつかの特定の地域を見出した。それぞれの開発の建設年と結びつけた団地内地蔵の年代分布の解析は,団地内地蔵が古い団地から新しいものまで広く存在することを明らかにした。それらは,両方とも,60年代と70年代初期において最も建設されたより大きい団地で見つかり,80年代以降に建設されたより小さい団地でも見つかった。共有空間内の団地内地蔵に焦点を合わせて,空間構成の解析を行い,3つのパターンタイプ,「賃貸住宅型」,「団地型」および「近隣型」を誘導した。これはコミュニティ空間の3つの異なるスケールに対応する。「賃貸住宅型」は,コミュニティ空間の小さなユニットの中心において,アパート建築の近くの居住者に近い場所に配置された団地内地蔵の構成である。「団地型」に対する団地内地蔵は,通常,空地に面した広場の内部あるいは周辺に位置する。この場合,団地内地蔵は,団地全体のコミュニティ空間の中心にあった。「近隣型」は,住宅開発の境界にある団地内地蔵を表現した。この構成は京都中央部の街路で見られる地蔵と類似しているが,近隣型団地内地蔵は団地自身とはあまり関係がない。団地内地蔵は,居住者による非公式な行為であるが,それは数十年にわたり団地空間に共存されている。「賃貸住宅型」団地内地蔵は,住民アクセス経路の周りの小さな過剰空間に適合し,これらの共有空間においてより多くの共存が見られる。「団地型」の場合には,団地内地蔵がどのように受け入れられているか,どのように空地の元の機能を転換しているかについて述べた。「近隣型」は,団地空間が周囲の近隣にどのように順応するかを示した。結論として,団地内地蔵は団地空間の変換にもかかわらず存在し,団地における柔軟で順応する性質は,様々なタイプの共有空間で見られる団地内地蔵の存在を通して明らかにされた。(翻訳著者抄録)